ハラスメントの被害を受けている当事者以外が通報したり、誰かに相談したりするにはどうすればいいのでしょうか?
ハラスメントは、自分が被害者でなかったとしても、見たり聞いたりするだけで不快になりますよね。
職場の空気も悪くなり、人間関係がギクシャクすることもあります。
このような、ハラスメントによる職場の悪化した空気や不快感を解決するのが、第三者による告発です。
実際に、第三者としてハラスメントに対し声を上げたことがある私の経験を踏まえ、当事者以外が訴える方法と、注意すべきポイントについて記事にしました。
(2024/12/23 15:05:21時点 楽天市場調べ-詳細)
第三者が内部告発をするための準備
伝える内容を文章におこす
口頭だけで伝えると、次のようなデメリットがあります。
- 言い忘れ
- あとから言った、言わないで揉める
- 他者から他者(はじめに相談した人→その上司 など)へ伝わるときに内容が変化してしまう
- 告発の時点で一定以上の時間が必要になる
これらのデメリットは、言いたいことを事前に文章にしておくことで解決することができます。
実際に、わたしが告発したときは自宅で作成後、印刷したものを上司に手渡しました。
今だから言えるメリットもあります。
- 忙しい上司に伝えやすかった。上司も「とりあえずこれを読んで内容を理解しておくね。」と言ってくれた。
- 面談の時点で、上司の頭に内容が入っているので、スムーズだった。
- 他部署の担当者からのヒアリングでも、自分の文章が配布されていたので、内容が変化してしまうことがなかった。
- 紙を見ながら話すことができたので、言い漏らすことがなかった。
書くときの注意点3つ
(1)いつ、どこで、誰に対してを明記
いつ、どこで、誰に対してという情報は必須です。
ハラスメントの被害者が一人なのか、複数なのかによっても対応が変わります。
また、「いつ」という情報も重要です。
最近始まったことなのか、もっと前から起きていたことなのかによって、深刻さのレベルが変わってきますよね。
会社によるので一概に言い切れませんが、わたしの勤め先の場合は、ハラスメントをしていた期間が長ければ長いほど処罰は重くなると聞きました。
(2)自分以外の第三者についての情報を明記
できれば自分以外に見たり聞いたりしているであろう人物たちの名前もあげておきます。
これは、上司たちが面談をする範囲を決定するときに役立つからです。
(3)数値化する
感情にまかせるのではなく、できるだけ具体的に、数値化できる部分は数値化します。
例えば、暴言を吐いた回数、身体的な攻撃の回数、性的な言動の回数、などです。
また、仕事の割り振りがおかしいといった場合は、周囲と被害者の仕事量の違いがわかる資料を用意するといいでしょう。
わたしの場合は人事担当者から数値化できる点は数値化してほしいと頼まれました。
ハラスメントの場合、加害者の処遇を決めることになりますが、なにかしらの処分をするかどうか、処分するとしてもどのくらいの重さにするかを決める際に、数値化されたデータが重要視されるそうです。
誰に言うかを決める
告発文も準備でき、いざ相談!となったとき、誰にまず言うべきかを決めなければいけませんよね。
わたしの場合は、ハラスメントをしている人物の直属の上司に言いました。
しかし、中には上司とハラスメント加害者の関係が近すぎて言いにくい場合や、事なかれ主義のような人物で言っても無駄になりそうだな、という場合があると思います。
その場合は、ハラスメントの責任者が決まっていればその人でもいいですし、他部署でハラスメント相談窓口等が決まっていればそこに言うのもいいです。
もしくは、親身になってくれるような行動力のある上司や先輩がいればその人を頼ってみるのも一つの手です。
同僚には言うべき?
わたしの場合は、一人の信頼できる人を除き、誰にも言いませんでした。
ハラスメントは、加害者が配置換えでいなくなったとしても、しばらくは環境がざわつきます。
わたしの職場でも、噂好きの人など、誰が告発者だったのかを探り出す人もいました。
自分の身を守るためにも、同僚への相談は慎重に!
しらを切り通すことをおすすめします。
告発後の行動
あなたの告発で、ハラスメントであると認定された場合は、より詳細なヒアリングが始まることがあります。
自分だけではなく、同じ職場で働く人たちもヒアリングの対象になることも。
内部通報した人が誰なのかを探られるかもしれませんが、自分であるとは言わずに、知らん顔をして過ごすのが得策です。
わたしの場合も、トイレや更衣室で
「なにか知ってるの?」
「あとからあなたが本当のことを知ってたって聞いたら怒るで〜!」
と冗談をはさみつつも、結構しつこく聞かれました。
突然のことで驚いています。
こういった返事で切り抜けよう!
ハラスメント告発後については、こちらの記事で詳しく書いています。
第三者が告発すべき理由
ハラスメントの相談窓口の方が面談の最後にこんな話をしてくれました。
ハラスメントは、被害者が声をあげにくい。
言いにくさだけでなく、加害者が処罰されるのを申し訳ないとすら思っていたり、洗脳されてしまって自分に非があると思い込んでいるからです。
第三者がもしかして?と思って、最初の一歩を踏み出してくれたから解決できたケースがいくつもあります。
匿名でも構いません。
ですが、実名で言ってくれたら、解決までのスピードはより早くなります。
今回、声をあげてくれてありがとう。
これを読んでわかるように、第三者による通報や相談は、ハラスメントを解決するための助けになります。
被害者は声があげられないからこそ、日々、ハラスメントを受け続けてしまうのです。
被害者でも加害者でもない立場だからこそ、ハラスメントの解決のためにできる行動があるのです。
まとめ
ハラスメントは決してあってはならないことです。
第三者による告発が、解決への糸口になることがあります。
告発や通告は、労力や時間がかかりますが、よりよい職場環境のためにも勇気を持って行動できるといいですね。
告発や通告をするときは、文章にして信頼できる上司へ打ち明けるとともに、あくまで相談したことが周囲にわからないように振る舞いましょう。
実際に告発をした私自身は、一切後悔していません。
あなたの職場環境がよくなることを祈っています。